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「えっ、いい名前じゃないか。セルツァって名前僕は好きだなあ。なんでよくないなんて言・・・」
次の瞬間、僕はまずいことをしたと思った。
・・・泣きそうだった。下を向いて服をぎゅっとにぎりしめる姿はまさに今から泣き始める子供だった。
でも、その子供の口から発せられた言葉はすくなくとも子供の言うことではなかった。
「ぼくは・・・こんな名前なのに・・・心からだれかのことをおもったりできなくて・・・。さびしいとも、たのしいとも・・・おもえないの・・・」
くいしばった歯の間からでてくる言葉はまるで苦いものを噛みつぶすかのようだった。じわじわと僕の心を溶かしてくる。
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