ぼくと僕

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なくかな、とおもったけどなけなかった。 パーパとマーマがいなくなってから・・・いえがこわされてからはほんとうのこころもこわされちゃったみたいに、なけなくなっちゃった。 わらえなくなっちゃった。 だから、ひとりでいきてきたんだ。 ともだちなんていらない。 かぞくなんて・・・いらない。 ごはんをたべなくてもおなかがすかなかったし、これからもひとりでいきていけるとおもった。 ――なのに。 クリストファーさんがわらって、ぼくをつれだした。 ・・・つらかった。 なんでぼくにこんなにやさしくしてくれるのか、わからなかった。 きっときらいになるだけなのに。
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