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「ありゃ、ほんとだ」
「もしかしてアレが目標の神社か?」
鏡雲は自身が見つけた神社が目的地かと思い、烈水に確認をした。
「いや? 俺の目標の神社はもっと新しいはずだけど……。
ま、いっか。とりあえず行ってみようぜ」
烈水はそう言い、鏡雲の見つけた神社に足を運んだ。
「あっ! ちょっ、待てよ烈水!」
鏡雲も烈水を追い、神社に向かって行き、鳥居をくぐり抜けて境内に足を踏み入れた。
「思ってた以上に綺麗だな」
「そうだな~」
二人が足を踏み入れた境内には、枯れ葉などがほとんどなく、きちんと整備されていた。
「もしかしたら神主さんか巫女さんがいるのかもな」
「だな」
二人はそのように話しながら、神社の本殿へと向かっていた。
「悪いけど、ここには神主さんも巫女さんもいないよ?」
「ん?」
すると、前方から女性の声がした。
二人は声のした方向を見ると、そこには白いリボンが巻かれた黒い中折れ帽を被り、白いシャツに黒いスカートを履いた女性が本殿から歩いてきていた
「こんにちは」
「こんにちは~」
「あ、はい。こんにちは。えっと……すみません、貴女は?」
挨拶をした女性に挨拶を返し、鏡雲が自分が思った事を素直に伝えた。
「私? 私はある大学に在学中の女子大生。君達は?」
女性は烈水達に近寄り、優しく問いかけた。
「俺は飛守鏡雲です。
そして、こっちが桜井烈水です」
「俺達はこの山に新しくできた神社に行こうかと……」
鏡雲が自分達の自己紹介をし、烈水が自分達の目的について女性に話した。
「神社? 確か新しく出来た神社は隣の山だった気がするけど?」
女性は首をかしげて、自身の記憶を辿り、思い出したことを烈水達に伝えた。
「え、隣の山? マジっすか?」
女性の発言を確認するように、鏡雲はもう一度先程言われた事を復唱した。それが間違いである事を信じて――
「マジっすよ」
だが、やはり祈りは天に届かず、真実は残酷であった。
「烈水ぃ! 無駄足じゃねぇか!」
鏡雲は烈水に今までの苦労をぶつける様に怒ったが――
「やっちまったぜ」
全く反省していない烈水の反応を見て鏡雲は、もうやだ……と言いながらうなだれた。
それを見て、女性は小さく笑った。
「あ、そうだ! 君達はこの神社の怪奇現象を知ってる?」
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