Prologue

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「おかえり。  今昼練だけか?」 背と格好よさは恨めしいが、 やっぱり俺にとっては 可愛い可愛い弟。 それに格好いいのも自慢だ。 だから、 そこはプライドは捨て、 いつも通りに聞いた。 「あぁ、  部活のやつらが  兄貴に入試終わったら  来てほしいってさ。」 タメ口で生意気だって 思うだろうが、 俺は全然気にしてない。 「部活かぁ…まあー  行くつもりだ。」 俺は腕を組んで、 少し懐かしそうな表情した後、 頷いた。 「了解。伝えとく。」 「って、ちょっと待った!  何で俺が高校に合格したって  知ってんだよ!」 「反応遅っ…」 砦斗はそう呆れたように 呟いたがそこはスルーした。 だってさ、 さっきはさ可愛い可愛い砦斗が珍しく帰ってきたから そんなこと頭から 吹っ飛んでたんだよ! (我ながら、  かなりのブラコンだな;) 俺が砦斗に詰め寄ると、 「母さんが、  帰ってきてすぐに 『お兄ちゃん、  楼彗高校合格したわよ!』  って言われたから。」 あっさりした口調で言った。 「母さん?……」 俺は後ろをゆっくり振り向くと ニッコリ笑って ブイサインをしていた。 「なん「だって、いつまでも、  起きないから、  気になって開けちゃった。」 「開けちゃったじゃ「悪いのは  いつまでも寝てる  兄ちゃんが悪い!」 「うっ…」 怒りを言う前に、 母さんと智世に言われて 何も言えず黙る。 俺が悪いけど…… だけどさ。 顔を上げて二人を睨み、 「何で知ってるなら、  教えてくれてもいいだろ!」 そう訴えた。 だってそうだろ? 知ってたならさ、 すぐに教えて くれればよかっただろ。 無駄にびびったじゃないか。 緊張したじゃないか; というか、 大分前から知ってたなら、 別に今 起こさなくていいだろ? もっと寝れた。 .
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