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「ここはこうしておいて!」
「こうですか?」
「そうそう!」
「あっそこ、飾りは3つずつね!」
「はい!」
来賓を迎えるメインホールには学校側が用意した業者と生徒会が準備をしてくれているのでいいが…
生徒だけのX'maspartyをする部屋は委員長たちが用意しなきゃいけなかったので猫の手を借りたいくらい忙しい。
それに城に入っていいのはparty前日のみで、尚更大慌てで飾りつけをしていて…
窓の外でトラックや人が行ったり来たりして往復しているのを見ると、業者側も同じようにお互い大変な思いをしていた。
「ここまで大変だったとは…;」
「お邪魔だったかも…;」
紗癒と雷はバタバタと走り回る生徒たちの邪魔にならないように壁際に立って茫然と見届けていた。
特に瑠季は広い会場を端から端に走り回って指示をしていて、かなり忙しい様子。
「忙しそうだし、今はよそう…」
雷の提案に頷いて帰ろうとした時…
「雷…と紗癒じゃないか?」
呼び止められ、振り返って見れば…
「「湖捺先輩っ」」
湖捺が段ボールを抱えて歩みよってきた。
「瑠季にようがあるの?」
「いえ…っまぁ…」
「忙しいみたいなのであとでにします…」
優しく笑みを浮かべて聞いてくる湖捺。
二人は前々から好感を持っていて瑠季繋がりで結構親しくなったのだ。
湖捺は瑠季の様子に納得して、
「ごめんね。来賓の方と違ってこっちは業者呼べないからね。しかも会場も広いから準備が大変だよ。」
疲れているんだろう、肩を竦めていう。
「特に瑠季は…最近寝てないじゃないかな…」
眉を下げながら瑠季を見つめる湖捺。
(密かにフラグに反応!ピコンッ☆…by紗癒)
確かに最近何かと忙しいのか、録に会話もしていない。
あの事件が終わってからも目の前まで来ていたX'masparty準備にそのまま直行してしまい、あのことについて触れていない。
ただ、最初会った時、『ごめん…全部俺が悪かったんだ…本当にごめん』と苦笑しながら謝ってきたのだ。
それが妙におかしくて…
「大丈夫かな…」
ボソリと呟く、雷に気づき湖捺が振り向けば二人して心配そうに視線をむけていた。
「…あ」
何か言いかけた時…
「あっ、タキシードの方の用意は?」
「Fルームにあります!」
「ならすぐに寮に届けて!誰か空いてる人…」
瑠季が周りを見渡した時に、紗癒たちを見つけ、走り寄ってきた。
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