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「…カッコよくて、優しくて…好きです。付き合って下さい。」
今にも泣き出しそうな赤い顔で俺を見ながらそう言った女の子。
「俺、彼女いるんだ。だからごめんね。」
その女の子の前で軽く手を合わせて片目をつぶって謝る。
「えっ…。」
「男は俺だけじゃないから。じゃあね。」
最後に軽く笑ってその場を後にした。
あっ俺、唯音っす。
瀬川唯音。
羽蘭の双子の兄です。
バスケバカでーす。
部活終わりで早く帰りたかったのにな…。
どうやったら女の子からの告白なくせるわけ?
俺、彼女いるって言ってるはずなのに。
中学の卒業間近もヤバかったけど高校入ってからもヤバイ。
意外に女の子多いんだよな。
校門まで歩いて行くと俺の彼女がお怒りで目を合わせてくれない。
「遅いよ。」
唯「悪い。」
俺の彼女、『真崎夏美(まさきなつみ)』
幼馴染み兼彼女。
可愛いし優しいし完ぺき。
夏「何してたの?」
唯「またコクられちゃった…。」
夏「…モテ男め。」
俺より前に歩き始めた夏美の手を握って歩幅を合わせて一緒に歩く。
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