プロローグ

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「戦闘訓練を受けた犬どもだ。 高かったぞ、こいつら。」 まさか…! こんなものまで用意して いるとは… 麻由子は体から 冷たい汗がどっと 吹き出すのがわかった。 この男… 『彼女』が言った通り 本気で私を殺そうと している……!? 体がより大きく震え、 足から力が抜けて へたり込みそうになる。 しかし歯を食いしばって 踏ん張った。 自分に言い聞かせる… 負けちゃダメだ。 こんな脅しに負けるもんか。 私は、こうなることが わかってて、 覚悟を持って、 今日この場所に やって来たんだ。 ここで弱さを見せたら、 準備してきたことが、 全部無駄になっちゃう。 しっかりしろ麻由子!! 男は低く唸(うな)った。 「死ねや、麻由子。 まあ変に抵抗したりしなきゃ、 喉笛(のどぶえ) 噛み切られて 一緒で楽になるけの…… 1号、Ready(構えろ)!」 右端の犬が 姿勢を低くする。 戦闘体勢だ。
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