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それでも時間は流れる。
用意を済ませた僕はバイトへ向かう。
ドラッグストアのバイト。客足は疎ら。
それは外の悪天候のせいなのか、それとも。
誰一人、地震の事は語らなかった。
社員さんも、お客さんも、誰一人として。
僕も語らなかった。笑って接客をした。
忘れた、フリをした。
「お客さん、少ないなー」
「そう、ですね」
「まぁ仕方ないか…こんなんだし」
店にやってきたお爺さんが言ったこの言葉。
頭から離れなくなっていた。
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