再会

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「ねぇ、部活何にする?」 小学校からの友達で仲良しの『中村 冬美』。 この子の存在が私の運命に大きく関わっていたのかもしれない。 『キッカケ』になったから―。 「う~ん…私は音楽やりたいんだけどなぁ…吹奏楽」 ピアノを習っていて、幼い頃から音楽好きの父親に、大好きなジャズばかり聞かされていた私。名前の由来も、音楽=奏でるものだからみたい。 父親が持っているサックスをよく吹かせて貰ったり、父親が吹く下手くそなサックスを聞いていた。 だから本格的にサックスが吹いてみたくて… 「ええ~。無理。だってふゆ音楽とか苦手だし。どうしても奏と同じ部活じゃなきゃやだ!」 「そんなのふゆの勝手でしょ?確かに同じ方がいいけど私は吹奏楽がいい」 膨れっ面をしながら私を見つめるふゆ。 いつものパターン。 ふゆは結構自分勝手でわがままなところがあった。 お陰でいつも振り回されてきたあたし。 何で仲良くしているのかって? あたしは人見知りであまり友達がいなかった。 昔からの仲良しで幼なじみの子とはクラスが離れてしまったし あたしにだってふゆしかいなかった。 結局あたしは最後まで、この子に振り回されてばかりいたんだけどね…。 「……分かったよ。でもそれならどの部活に入るつもり?」 文化系は後は美術部くらいしかなかった。 ふゆなら文化系を選びそうだけど…。 「じゃあバドミントンにしよう!」 「はい?」 ふゆが選んだのはバドミントン部だった。 これが結局、運命の選択になった訳で―。
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