プロローグ

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カノジョがいた。 オレには勿体ないくらい可愛くて、優しくて。 本人を目の前にして言ったことはなかったけど、ぶっちゃけ自慢のカノジョだった。 出会ったのは大学3年の春。 オレの所属していたバスケのサークルに、カノジョが新入生としてやってきた。 容姿と声、親しくなるにつれて知るその性格――全てがオレの好みにハマっていた。 その年の秋、居ても立ってもいられなくなったオレは、生まれて初めて告白ってやつをした。 心臓が身体を突き破って出てくるんじゃないかってくらい高鳴った。 そんな中でカノジョからOKの返事を貰えた時の喜びは、あれから2年が経った今でも忘れられない。 お互いに実家を離れてひとり暮らしをしていたオレたちは、以来それぞれの部屋を行き来しながら半同棲の日々を送った。 些細なことでケンカをすることもたまにはあったけど、最後はやっぱり相手のことを想って仲直りをして――本当に楽しかった。
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