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3月17日。
東北地方太平洋沖地震は死者・行方不明者あわせて14,000名を超え、福島県では複数の原子力発電施設が炉心溶融の危機にさらされている。
もはや言葉は意味を失い、現実に起きているこれらのことを語る術をオレは持たない。
“千体以上の津波被災者の遺体を発見する”
とはどういうことなのか。
“前日まで暮らしていた家を、町を失う”
“家族を、友人・隣人を共に生きていた多くの人々を亡くす”
のが、どういう気持ちなのか。
“家の近くの原子力発電所がいわゆるメルトダウンを起こし自分が被曝する可能性がある、という状況に置かれて”
オレはどういう行動を採るだろうか…。
想像力が及ばないのだ。
これらのことが生き延びた多くの人たちの逃れようのない現実だと思うと…。
沈黙するよりほかない。
しかしひとつだけ書いておきたいことがある。
福島県の原子力発電施設の事故に関して、何故誰も“最悪のケース”について語らないのか?
炉心溶融が起きた場合、どの程度の危険や被害が周辺に及ぶのか。誰もそのことに触れない。その代わりに一縷の希望的観測を述べるばかりなのは…
何故だ?
パニックを避けるためだろうか?だが…何も知らされないまま、最悪の事態が静かに進行していくとしたら…。
これほどの恐怖は他に無い。
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