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一応、公輝は客人だが『お珈琲にしますか? お紅茶にしますか?』なんて聞くつもりはない。
ベッドに腰掛けたまま足を組み、手を後ろに付いて公輝はのけぞると、
「しっかし暑いね。エアコンないの? はぁ……」
天井や壁を一望して溜め息をついた。
その公輝の体勢はTシャツが捲れて、小麦色の腹が見える。
ヘソ丸出しで、尚且つ仄かに割れた腹筋が妙に腹立たしい。
俺なんて、ここ最近三キロ太って腹がブヨブヨになって来た所だ。
運動しないと不味いが、しかし動く気にはなれない。
だって暑いし。
普通、夏っていうものは食欲が減退するが、俺は逆で食欲が増す。
ヤバいと思いつつ、弁当を食い、デザートを食べ、甘いジュースを飲み、菓子を頬張り――そりゃ太るわな!
現に公輝から『太った?』と聞かれたし。
本気でダイエットを考えなければ……。
「ねぇ、どっか涼しい所に行こうよ」
あまりの暑さに早くも参っているのか公輝は顔を歪めて、服の裾をバタバタと上下に振るっていた。
「はっ? 俺、今から洗濯と掃除すんだけど」
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