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武器の事故は言うに及ばず、空母で艦載機事故による火災が原因で亡くなるケースや、移動中の航空機や自動車の事故といったケースも少なからず見られる。これは戦時に限らず平時にもあることであり、戦闘を経験していない自衛隊でも警察予備隊創設から2008年までに約1800名の殉職者を出している。
やはり厳密には戦死と異なるが、戦場では戦病死も無視できない要素である。戦病死は時代をさかのぼるほど多く、近代までは主要な死因であった。現代における非対称戦争の多勢側では、兵站や輸送が充実しているため治療が受けやすいが、その限りではない状況下で疾病はしばしば致命的となりがちである。一般に衛生状態がよくない戦場において兵站が十分でないと栄養不足や医薬品不足から命を落とす兵士が後を絶たず、伝染病や風土病が流行して死者が大量にでることも珍しくない。戦闘ストレス反応による自殺といったケースのほか、マラリアなど風土病による病死や野営中に野生動物に襲われたケースなど、戦場という劣悪な環境下では様々な死が存在する。その一方で寒冷地での行軍は低体温症を招き、凍死者を発生させる。こういった劣悪な環境による負傷や戦病は、むしろ直接的な戦闘より多くの死傷者・要救護者を発生させうる。
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