序章

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銀次は眼を見開きながら後ろを振り返る。 奴はそこに立っていた。喪服を思わせる黒いスーツ、髪は全て後ろに撫で付けられている。 その眼は煌々と光り、その視界の中心に銀次を捕らえている。 銀次の反応は速かった。 銃を奴に向け、引き金を引く。 恐怖のあまり指が思うように動かず、自らの怒号の力を借りた。 星の綺麗な空に、二発の銃声、そして深紅の鮮血が舞う。
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