鬼ごっこ

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音楽室から出た俺達は、階段に向かう。赤い手形から発せられてるとしか考えられない異臭を感じながら廊下を歩いていく。 もう、あの変な手が生えてくる事はなかった。 階段の前に着く。 「じゃあ、あや、お願い」 「うん」 あやが歌う。 旧校舎に響くほどの大きな声で。 それは綺麗な音調だけど、どこか悲しさを感じさせるそんな音色。 あやが歌い終わる。 すると、階段の上、本当なら踊り場がある場所から、更に上へと繋がる階段が現れた。その段数を数えてみると、13段だった。 「じゃあ、行くよ」 俺の言葉にみんな頷き、そして一歩踏み出す。 これを上りきったら、あの女はいるのだろうか。もしいたとしたら、そこからなにが起こるのだろうか。 あの女は言っていた、遊びましょう、と。ただの遊びなわけがないけど、それでも行くしかない。
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