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「あ……」
「どうしたの、あや」
「ヒントになりそうな学校の七不思議あった」
あやはごくりと唾を飲み込んでから、言葉を繋げた。
「五番目。『旧校舎に響く子守唄。誰も知らない天への階段が現れ、希望が開ける』」
「旧校舎に響く子守唄……?なんだそれ」
尾崎が首を傾げた。
だけど、俺は、その子守唄がなんだか見当がつく。あやもそうなのだろう。だから、この不思議がヒントになっていると、考えたんだろうし。
でも。
「誰も知らない階段が現れるって、どういう意味?」
「分からないんだよね、中野くん。私もそれは分からない。誰も知らないって……この学校にそんな階段あったっけ?」
「ないと思うけど」
夢が俺の手を掴みながら、それでもさっきよりは震えがなくなった声で言う。このヒントが解決への糸口だと思って、少しだけ緊張が和らいだのだろう。
だけど、これはむしろ、袋小路に入ってしまったのかもしれない。
この不思議がヒントが、もし本当だとしても、どうやったらその階段を見つける事が出来る。子守唄がなんかの鍵なのか……?
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