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子守唄。
それを聞くと、音楽室で、なにかにとり憑かれていたあやが歌っていたものを思い出す。
だけど、旧校舎に響くって……どこかで歌えばいいのか?
でも、どこで。
誰も知らない階段って……なんか物騒だし。
しばらく悩んだ後、俺はとりあえず動いてあの女を捜そうという提案をする。
ここで悩み続けていても進展はしないだろうし、それだったら捜しながら思考を展開していた方が気が楽になる。
みんなもそれに頷き、再び歩き出す。
カツン、カツン、と生きているものは俺達しかいない、不気味な空間に足音が響く。
「なぁ、竹内。子守唄って事はさ、音楽室でも行けば、なにか分かるんじゃないか?」
「音楽室?なんでだ、尾崎」
「いや、音楽繋がりで。なにか新しいヒントがあるかもしれないだろ?」
かなり浅はかな思考だと思ったけど、今は少しでも行動していた方が気が紛れる。なので俺達は音楽室に向かう事にした。
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