72人が本棚に入れています
本棚に追加
格式高いと言われている白鳳院という男子高は通う生徒、教師全てが一般とは違う人で構成されている。
有名人の息子、議員の息子、老舗店舗の跡取り……あげていけばキリがないくらいに、この学校はそう言った未来に活躍するだろう次代の奴が集う。
そんな中に俺、吾妻 圭介(あずま けいすけ)は極普通の一般家庭の出ながら通っていた。
全ては進学率の高さの為……たまになんで俺ここにいるんだろうって思うけどな。
それくらいにこの白鳳院は俺にとって場違いな所だった。
そんなことを考えている内に終業式が始まるらしい。
壇上脇に来た教頭先生がマイクで挨拶を述べると暫くして湧き上がる歓声。
男には有るまじき高音の歓声に呆れながら舞台中央を見る。
教頭先生の声は掻き消されて聞こえなかったが紹介されたんだろう、一人の生徒が立っていた。
遠目からでも分かる美形っぷりに本当に俺と同じ人間なのかと思う。
「静かにしろ」
マイク越しの男らしい声に一瞬にして講堂内が静まり返った。
ありえない話なんだが、この学校の生徒は皆この人――名古屋 智里(なごや ちさと)生徒会長に心酔している。
尊敬や友愛よりも、恋愛的な意味での好意を持つ人が多いという所に注目して頂きたい。
そう。 白鳳院は有名なホモ校なのだ。
入学してから友人にカミングアウトされた時は選択を誤ったと心底思った。
最初のコメントを投稿しよう!