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家に1人でいるのが嫌で、私は友達の姿雪(シユキ)くんの家に行く。
姿雪くんはほんとに優しくて、歩希さんを好きになる前は姿雪くんのことが好きだった。
でも姿雪くんはモテるから、告白する勇気なんてなかった…。
それに、フラれて友達じゃいられなくなるくらいなら、告白しないほうがいいと思ったから。
姿雪くんの家に着き、インターホンを押すと、少し経ってから姿雪くんが出てきた。
「あれ?琉乃?どーした?」
「………姿雪くん。ズボンのチャック開いてるよ…。もしかしてお取り込み中だった?」
姿雪くんはプレイボーイだから、色んな女の子と身体の関係を持っている。
「あー…まぁね。今帰ってもらうから、入んなよ」
「ううん…。その子に悪いから私は美那の所いくよ…」
「……ねぇ、琉乃。なんかあった?」
帰ろうと思っていた私の手を掴みながら真剣な声で尋ねてくる。
「な、なにもないよ…」
「とりあえず入って」
強引に家の中に入れられる。
「ちょっと待ってて」
リビングのソファーに座らされて、姿雪くんは2階へ行った。
しばらくして、2つの足音が聞こえてきた。
「じゃあね、姿雪~」
女の子の声と、ドアが閉まる音が聞こえて、姿雪くんの足音がリビングに近づいてきた。
「ごめんね、琉乃」
「ううん。私が勝手に来たんだもん…」
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