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「あはっ、俺にも一口ちょーだいね?イチゴパフェ♪」
「あげない!」
「あれー?奢ってあげてるのに、くれないの~?」
こんの……ドS…ッ
「わかったよ…一口だけ……」
“一口だけね?”
そう言おうとした時、入り口にいる人物を見て言葉を失った。
「琉乃……?」
私の視線の先を姿雪くんも見ると、姿雪くんは私をテーブルの下に隠れるように促した。
私はテーブルの下に隠れ、動揺して震える手を宥めるように組んだ。
なんで………
なんで歩希さんがここに来てるの…?
入り口にいたのは、お兄ちゃんと一緒と話しながら笑う歩希さんだった。
仕事だって言ってたのに…
歩希さんとお兄ちゃんは、私たちの席を通り過ぎ、後ろの席に座った。
私もそれを確認し、椅子に座りなおした。
私の真後ろには歩希さんがいて、いつバレてもおかしくない。
でも、テーブルの下に隠れたままでは2人の会話が聞こえない。
「琉乃……大丈夫か…?」
姿雪くんは小さい声で心配したように問い掛けてくる。
「………うん」
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