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「………あぁ。そうだ」
…………え?
「琉、乃……」
姿雪くんの顔がぼやけて見える。
私、今泣いてるの…?
どんな顔してるの?
「でも…………」
歩希さんが話を続けようとしたとき、私は耐えきれなくなって逃げ出した。
「琉乃っ!」
姿雪くんが後を追ってくる。
頭が真っ白な私は足がフラフラになり、店員にぶつかった。
きっと私が頼んだパフェを運んでいる途中なのだろう。
店員はギリギリでパフェを持ちなおした。
私はそんな店員すら目に入らず、無我夢中で走った。
店からでると、生ぬるい風が顔に当たる。
店の中から、私を呼ぶ歩希さんの声が聞こえた気がした。
だけど……もう歩希さんには会いたくない。
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