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どこまで走ったかわからない。
けど、気が付いたらどこかの公園のブランコに乗っていた。
「ど…して…っ」
涙がとまらない。
あまりにも衝撃すぎて頭がついていかない。
愛美さんって………誰…?
あれ……?
愛美…?
愛美って……もしかして…
携帯を開いて、電話帳から愛美の文字を探す。
通話ボタンを押すと、可愛らしい声が聞こえた。
「もしもし?琉乃ちゃん??」
「愛美ちゃん…?」
愛美ちゃんは、私が通う学校の保健の先生だ。
若くて美人で可愛くて性格もいい。
もしかしたら、歩希さんと付き合ってたのは愛美ちゃんなのかもしれない…
「愛美ちゃんさ……去年、彼氏と別れたって言ってたよね…?」
「あら…知ってたの?」
やっぱり……歩希さん?
「歩希さん………歩希さんと付き合ってたんでしょ…?」
「やだぁ~琉乃ちゃん、なんで知ってるの?」
頭がおかしい…
真っ白になる。
「愛美ちゃん………私……」
「琉乃!」
私の言葉を遮ったのは、歩希さんの声。
「歩希……?」
愛美ちゃんが電話越しにボソッと呟いた。
私は反射的に電話を切り、逃げ出した。
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