愛さなくてもいいから…

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「私……知ってるよ…?歩希さんの部屋の引き出しに…未提出の婚姻届け入ってるよね…?」 「なんで…」 「部屋の掃除してたら見つけたの…。婚姻届け……私の名前しか書いてなかった…。私、てっきり籍入れてるんだと思ってたのに……」 私の目から溢れる涙が、頬を伝って乾いた地面を濡らす。 「最初から最後まで、全部……………私の勘違いだった」 自分がバカすぎて、だんだん笑えてくる。 「本気で好きだったのも私だけ……結婚した気でいたのも私だけ…」 歩希さんは泣きだしそうな子供みたいな顔で私を見つめていた。 そんな顔しないで…… 同情なんていらないよ…
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