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そんなことを思いながら歩いていると、いつの間にか美那の家に着いていた。
「…琉乃。何があったの?」
美那と姿雪くんは、私が歩希さんと結婚……いや、付き合ってることを知っている。
「もう……歩希さんとは一緒にいられないっ…」
私の言葉に、美那は驚いた顔をしたながら私の肩を掴んだ。
「何言ってんの…?どうしてそんなこと言うのよ?」
私は嗚咽混じりで途切れ途切れながらも今までのことを話した。
ほんとは籍を入れてないこと。
歩希さんは私を好きじゃなかったこと。
歩希さんの元カノは愛美ちゃんで、歩希さんはまだ愛美ちゃんが好きなのかもしれないこと。
「琉乃……つらかったよね」
美那は、そっと私を抱き締めながら頭を撫でる。
「1人で悩んだんでしょ…?なんで相談してくれなかったのよ…。私たち、親友でしょ?」
美那の腕の中は温かくて、安心する。
私はギュッと美那に抱きつきながらゆっくり頷いた。
「うん…美那は親友だよ。相談しなくてごめんね…?」
「よし、じゃあもう泣くな!琉乃は笑ってる方が可愛いよ?」
“琉乃は笑顔のほうが可愛い”
一瞬、美那の言葉と歩希さんの言葉がリンクした。
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