通じた想い

3/15

706人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
そんなことを思いながら歩いていると、いつの間にか美那の家に着いていた。 「…琉乃。何があったの?」 美那と姿雪くんは、私が歩希さんと結婚……いや、付き合ってることを知っている。 「もう……歩希さんとは一緒にいられないっ…」 私の言葉に、美那は驚いた顔をしたながら私の肩を掴んだ。 「何言ってんの…?どうしてそんなこと言うのよ?」 私は嗚咽混じりで途切れ途切れながらも今までのことを話した。 ほんとは籍を入れてないこと。 歩希さんは私を好きじゃなかったこと。 歩希さんの元カノは愛美ちゃんで、歩希さんはまだ愛美ちゃんが好きなのかもしれないこと。 「琉乃……つらかったよね」 美那は、そっと私を抱き締めながら頭を撫でる。 「1人で悩んだんでしょ…?なんで相談してくれなかったのよ…。私たち、親友でしょ?」 美那の腕の中は温かくて、安心する。 私はギュッと美那に抱きつきながらゆっくり頷いた。 「うん…美那は親友だよ。相談しなくてごめんね…?」 「よし、じゃあもう泣くな!琉乃は笑ってる方が可愛いよ?」 “琉乃は笑顔のほうが可愛い” 一瞬、美那の言葉と歩希さんの言葉がリンクした。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

706人が本棚に入れています
本棚に追加