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「別に気にしてないから。姿雪が私を好きじゃないことくらい知ってるし……」
美那は俯きながら何かに耐えてるようだった。
美那はまだ姿雪くんのこと好きなんだ…。
「美那……それって…」
「っ…私は……まだ姿雪のことが好き!諦めないから!」
姿雪くんは唖然としながら美那を見つめ、私は初めて目の前で見た他人の告白に顔を真っ赤にさせる。
「美那…っえ……は?美那が……俺を?」
私と同じように真っ赤なる姿雪くんを、美那は涙目で睨んでいた。
「琉乃。帰るぞ」
急に腕を引っ張られて、引きずられるようにその場から離れた。
「ね、歩希さん。なんで帰るの?」
まだあの2人がどうなるのか見ていたかったのに…。
「琉乃があの場にずっと居たら、かなりのKYだ」
ガーンッΣ(゚д゚;)
「だって気になるじゃん!美那、かなり震えてたよ…。すごい勇気出したんだ。ずっと姿雪くんのこと好きだったんだね…」
気付いてあげられなかった自分に悔しくて涙が出てくる。
そんな私の頭を無言で撫でてくれる歩希さんがすごく愛しかった。
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