もうひとつの恋

4/8

706人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
“プレイボーイ” 琉乃は俺をそう言った。 “バカで可哀想な男” 美那は俺をそう言った。 どっちが正しいかなんて知らないが、プレイボーイは少し違う気がする。 好きで女と遊んでるわけじゃない。 琉乃に悟られたくないからだ。 少し昔の話になるが、俺が琉乃を好きになったあと、歩希さんの存在を知ったときのことだ…。 歩希さんのことが好きな琉乃の邪魔をしたくないために、女と遊んだ。 友達だった美那はそんな俺を心配してくれていた。 俺はそんな優しい美那の気持ちを利用した。 美那は琉乃の友達だ。 だから尚更、都合がよかった。 美那もそれを了承した上で俺たちは偽りの恋愛を作り上げた。 “私を利用すればいいよ” 美那の言葉に甘えていたんだ。 形だけ付き合っていたから、ヤる必要なんてないと思っていたが、美那は自ら抱いてほしいと頼み込んできた。 だから抱いた。 美那を抱いていると、なぜか琉乃が頭から離れなかった。 だからか、優しくできなかった。 事後、美那が初めてだったことに気が付いたんだ。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

706人が本棚に入れています
本棚に追加