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歩希さんと仲直りしてから数日…。
夏休みも終盤にさしかかってきた。
そんな日の夜…
「歩希さん!」
お風呂から上がり、髪が濡れたまま肩にタオルをかけて歩希さんに飛び付く。
「ん、どした?あ。髪ちゃんと拭けよ」
私を受けとめながら額に軽くキスを落とし、私の肩にかかっているタオルで頭を拭いてくれる。
ワシャワシャと拭かれ、変な唸り声を上げながら彼の腰に腕を回す。
「今日はいつも以上に甘えるんだな?」
クスッと笑いながら私の身長に合わせて屈む歩希さんの頬をつねった。
「いつ婚姻届け出すの?歩希さん、仕事忙しくてまだ出してないでしょ?」
「あ、そうだな。今から行くか」
思ったよりアッサリした返答に、ぽかーんと口を開ける。
「ごめんな?今まで不安にさせて」
胸の奥から込み上げる熱い何かを抑え、満面の笑みを向けた。
「やったぁぁ!今から私と歩希さん、正式に結婚するんだよね?」
「式は少し先になるかもしれないけどな」
喜ぶ私の頭をポンポン叩きながら歩希さんも幸せそうに目を細める。
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