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その日の日付が変わる直前に、私たちは市役所で婚姻届けを提出。
市役所の帰りの車の中、泣きじゃくる私の手を握り締めながら、歩希さんは何度も慰めてくれた。
「ぅぇ…っふ……」
「バカ、泣くな。犯すぞ」
「ヴッ……!」
冗談だとわかっていても、“犯す”なんて言葉に顔を赤くしてしまう。
「フッ……冗談だよ。明日、指輪買いにいこうな?」
「うんっ」
大きく頷く私の頭をグシャグシャに撫でて、私たちは家へと向かう。
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