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「琉乃…起きろ。朝だ」
「ん…」
低くて甘い声が聞こえて目を覚ます。
「歩希…さん…?」
「遅刻するぞ」
遅刻…!?
「嘘ッ…遅刻!?」
ガバッと飛び起きると、歩希さんが肩を震わせて笑っていた。
「ハハッ、お前今夏休みだろ。騙されやすすぎ」
そうか……今は夏休みだったんだ。
「もう!意地悪!」
「そんなことより、休みだからといって寝過ぎるなよ」
さっきの笑顔はどこへ行ったんだっていうくらい、すぐに無表情になる歩希さん。
「はぁい…」
「琉乃」
歩希さんが私に顔を近付ける。
「へ…?」
「ん」
目を閉じ、更に顔を近付けてくる。
も、もしかして……おはようのチュー的な?
「っ…チュー、ですか?」
「当たり前」
「~~///」
赤面しながらも歩希さんの唇にキスをする。
「フッ…よく出来ました」
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