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｢希凪。これ、誠さんから｣
誠さんとは、お姉さんの旦那さんだろうか。
歩希さんがお姉さんに差し出したものは、お守り。
｢誠…から…？｣
お守りには白地に緑色の字で“安産祈願”と記されている。
｢仕事で忙しいから渡してくれって頼まれたんだ｣
お姉さんはお守りをギュッと抱き締め、微笑みながら涙を流した。
｢黒夢。ママともう少し離れなきゃいけないけど、黒夢は愛李のお兄ちゃんだから大丈夫だよな？｣
黒夢くんはコクンと頷いてお姉さんから離れた。
｢ママ！黒夢ね？琉乃と結婚する！｣
爆弾発言をする黒夢くんの頭を歩希さんが掴む。
｢調子乗んな。琉乃は俺のだ｣
｢冗談だよ？歩希お兄ちゃん♪｣
歩希さん、完全に黒夢くんに惑わされてる…。
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