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「琉乃は当然、夏休みの宿題終わってるよな?」
ギクッ!
「……その様子だと終わってないんだな」
「だって……難しいんですよ?レポートとか…」
「それなら俺に言えばいいだろ。俺、これでも頭いいんだから」
あ。
そうか…
歩希さんって完璧だもんね。
ファッション会社の社長だし……って、ファッションは関係ないか。
「……よし、着いたぞ」
歩希さんに声をかけられて車を降りる。
全体的に白に統一された店内には、輝く指輪やネックレスが並べられている。
「うわぁぁ……何これ…すごい…」
目がチカチカしてきた…。
「いらっしゃいませ、雨宮様。こちらの方は奥様ですか?」
店員さんに話し掛けられ、ビクッと肩を揺らす。
「あぁ。今日は結婚指輪を買いに来た」
「あら。若い奥様ですね。雨宮様が旦那様で、さぞかし幸せでしょう」
店員さんはニコニコしながら話してくれるが、なんだか高級感溢れる笑顔に苦笑いしか返せない。
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