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「食べる前に、早く顔洗ってこい」
「はーい」
洗面所で顔を洗い、再びリビングへ行くと椅子に座り、コーヒーを飲む歩希さんの姿があった。
「…かっこいい」
思わず見とれる。
「ん?どうした?」
私の存在に気が付き、首を傾げる。
「歩希さん……かっこいいですよね」
「そうか?普通だと思うが」
普通なんかじゃない…。
綺麗に整った顔は、アイドルや俳優は顔負け。
成り行きとはいえ、歩希さんはどうして私と結婚したのかな…?
“好きだ”なんて言われたことない。
私なんて、歩希さんからしたら子供だし……色気もない。
せめて美人だったら、少しは違ったのかな…?
「琉乃…?食わないのか?」
「う、ううんっ…食べるよ…」
慌てて椅子に座り、箸を持ってご飯を食べる。
「やっぱりおいしい…」
「琉乃の飯の方が美味しいよ」
「私なんかにお世辞なんて言っても、得しませんよ~」
容姿端麗、品行方正、才色兼備。
仕事も料理もできる。
そんな完璧な人の妻がこんなんでいいのかな…?![image=435586286.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/435586286.jpg?width=800&format=jpg)
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