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『手を離せ。』
声がする方を見ると、魁、朔、颯がいた。
「なんだ?お前ら?」
「こいつらの男か?少し彼女達貸せよ。」
『は?貸すわけないだろ。さっさと汚い手を離せ。』
朔が少し怒りながら言った。
「なんだと!調子にのんなよ!!ヤラれてぇのか!?」
男の一人が叫んだ時、颯が馬鹿にした様に言った。
『あ?俺達がお前らごときにヤレる訳ないだろ。』
…颯~。挑発してどうするの…。
「なんだと!」
「てめぇみたいに弱そうな奴にヤラれる訳ないだろ!」
「女の前だからって調子にのんな!」
『…弱そう?俺が?へぇ…』
…あっ…颯キレた…。
呑気に考えていると 男達がまた叫んだ。
「おい!やっちまうぞ!」
男達は魁達の方に走り出した。
『魁さん。朔。俺がやる…』
『あぁ』
『颯。手加減してやれよ?』
そういいながら、魁と朔は颯から離れた。
「一人で相手にするだと!?」
「ナメるな!」
「調子のんな!」
口々に文句を言って男達が颯に殴りかかった。
颯はそれを避け、男を殴り飛ばした。
「こいつ…つえぇ…」
男達はヨロヨロと立ち上がった。
『へぇ…。手加減したとは言え立てるか…。おい。誰が弱そうだって…?』
颯の冷たい声が聞こえ、私達は呆然と見ていた。
「「「す…すいませんでした…。」」」
男達は謝りながら走って逃げて行った。
『沙綾?大丈夫か?』
魁の声が聞こえ、顔を上げた。
『魁!大丈夫だよ。』
『遅いから、迎えに来た。』
『ありがと。皆の所に戻ろ?』
『ああ』
そう話しながら皆の所に戻って行った。
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