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『沙綾!』
『魅弥!』
魁と朔の声にみぃと二人で反応した。
『…か…い』
『さ…くや…』
ガタガタ震えながら泣いたまま魁達の方を向いた。
魁達は近くきてギュッと抱きしめてくれた。
『『い…いやぁ…』』
二人で狂った様に叫んだ。まだあの二人に触られている感じがしていた。
『沙綾!落ち着け!俺だ。』
『魅弥!俺だ!』
『…いやぁ…かい…』
『…いや…だぁ…。朔…やぁ…助け…てぇ…』
魁達の声で少し落ちついてきていたけど…胸の中の不安は拡がっていた…。
『…大丈夫だ…落ち着け…。俺がいる。』
『…魅弥?俺だ。大丈夫だ。』
『…か…い』
。
『さく…や』
抱きしめられてても…震えと涙が止まらなかった…
『とりあえず…たまり場に帰るぞ。話しはそれからだ。』
私は魁に抱き上げられ車に乗せられた。
たまり場のいつもの部屋に着いた時、瑠榎にぃ達にも聞かれた。
『綾?みぃ?どうした?』
それでもまだ答えられなかったら、瑠依にぃが紅葉ねぇに聞いていた。
『紅葉?何があった?』
『それが…男の子二人にあったの。その子達が言うには中学の同級だって…』
その言葉にまたビクッと震えた。
『沙綾。…大丈夫だ。』
『魅弥…』
みぃも震えたのか朔の声が聞こえた。
魁の声が聞こえ少し安心した。
『中学の同級?綾とみぃが怯えるなんて誰だ?』
颯の声に朔が答えていた。
『さぁ?でも…この怯え方…覚えがないか…?』
『…まさか…』
『いや…あいつらはここにいないだろ…』
瑠榎にぃ達の声が聞こえて、私達の怯え方から誰かは分かったみたいだった。
私は魁にギュッと掴まりながら、小さい声で呟いた…。
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