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いつの間にか眠っていたらしい私は目を覚ました…。 起きたら魁がいなくて、さっきの事が頭に過ぎった。 『…魁…?…か…い?』 いくら呼んでも魁の声は聞こえなくて…気がついたら叫んでいた。 『いやぁ!魁…魁!』 『『沙綾!』』 慌てて瑠榎にぃと瑠依にぃが入ってきた。 『瑠榎…兄様…。瑠依…兄様…。か…魁が…いないの…。魁まで…朔矢と…颯矢みたいに…。魁…どこぉ…?』 泣きながら魁を探した…。 『沙綾。魁は大丈夫だ。朔矢と颯矢も大丈夫だから…泣くな。瑠依、魁呼んでこい。』 『ああ』 瑠榎にぃに抱きしめられたけど、落ち着かなくて魁を探した。 『瑠榎兄様。魁は…どこぉ?病院…?』 『違う!魁はすぐくるから。』 『いや…いやぁ!か…魁まで…。兄様…兄様…か…い…が…。』 『沙綾!』 魁が部屋に飛び込んできた。 『ほら沙綾…。魁はいるだろ。』 瑠榎は抱きしめていた沙綾を魁に渡した。 『沙綾…。一人にして悪かった。』 私は魁にギュッと抱きしめられた。 『…か…い。怪我…してない…?朔矢と颯矢みたいに…病院…いかない…?』 泣きながら聞いてみた。 『ああ。どこも怪我してない。大丈夫だ。』 『…兄様…。…魁いた…。…怪我…してないって…』 『ああ。魁も朔矢も颯矢も大丈夫だ。』 『沙綾…。少し落ち着いたか…?』 魁に聞かれ頷いたら魁が立ち上がった。 『いや!魁…どこ行くの…?私を…置いていくの…?』 涙を流しながら聞いた。 『沙綾…一緒にいるから…皆の所に行くぞ?お前を置いて行ったりしない…』 魁に抱き上げられ、ギュッと掴まった。 部屋を出ると朔矢達もいた。
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