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眠った沙綾を抱きしめたまま、瑠榎達に聞いた。 『なぁ…前もこんなんだったのか?』 俺の質問に瑠榎達は答えた。 『あぁ。変わらないな…。違うのは起きて魁を探す事だな。』 『朔矢達が入院中…夜中に起きては探し回ってたからな…。』 『どうやって治ったんだ?』 『あの二人がいなくなって、朔矢達が退院して3ヶ月…合計半年ぐらいかかったな…』 瑠榎が思い出したように言った。 『現実にアイツラがいない事が分かれば戻る。魅弥は朔矢を失う恐怖からきてる。沙綾は片割れを失う恐怖からだ…。だから俺達が怪我しない事が1番なんだ。』 瑠榎の声に瑠依が続けた。 『今の綾は魁も失う事が怖いんだろうな…。昔は睡眠薬でしか眠らなかったが、今は魁に抱かれたら眠ってる。 それだけ魁の存在がデカイんだろ…。』 『そうか…。』 そこまで話してふと気になっていた事を聞いた。 『瑠榎?沙綾は何でいきなり兄様って呼んでんだ?』 『あぁ。昔の癖だ。小さい頃、面白がって瑠依とお嬢様風の言葉使いを教えたんだ。 そしたら、今はキレたり、混乱するとお嬢様言葉になるんだ。』 『なるほど。いいパロメーターになるな』 話していると瑠依が言った。 『魁…。俺達はそろそろ戻るよ。』 『綾…頼むな…。』 『あぁ。』 そう言うと、瑠榎と瑠依は部屋を出て行った。 また泣きながら寝ている沙綾の涙を拭い、抱きしめながら眠りについた。
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