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夜中に何回か起きては魁を探した。 魁は必ずいてくれて抱きしめられたまま寝ていた。 『…ん…?…魁…?』 起きると隣に人の気配がなく、不安になった。 『魁…?…どこ?』 自然と涙が出て来て、探しに行こうとした時、部屋のドアが開いた。 入ってきたのは魁だった。 『か…い…』 見つけた安心感から魁に駆け寄り抱き着いた。 『おっと。沙綾起きてたか…。ゴメンな。一人にして…』 涙を流しながら聞いた。 『…魁…どこ行ってたの…?』 『ん?風呂入ってた。まだ起きないと思ったから。ゴメンな?』 そう言われれば魁の体からは石鹸の香りがした。 『…置いていかないで…』 『あぁ。一人にして悪かった。ほら俺はいるからもう泣くな。』 落ち着いた頃…リビングに行くと皆いた。 『綾おはよ。魅弥と風呂入って来い。たまり場行くぞ。』 瑠榎にぃに言われた。 『うん。…魁…待っててくれる?』 『あぁ。ここにいるから』 『朔矢…』 不安そうな魅弥に 『ほら俺もここにいるから…綾と行ってこい。』 私は魁に頭を撫でられ、みぃは朔に撫でられた。 二人で安心して、お風呂に向かった。 綾とみぃが風呂に向かったのを確認すると颯が声をだした。 『魁さん。お話があります。』 『なんだ?』 『鬼神の件ですが…手伝ってくれるチームがいます。』 『…どこだ?』 『紅蓮…』 『凪か…。いくら同盟でも…そこまで動かせないな…』 『それが…鬼神の情報を貰おうとダチに連絡したら…今紅蓮にいるらしく…僚我達の事を話したら、協力してくれるって…。綾達の為なら紅蓮は動きます。』 『…なんで断言できる…』 『中学のクラスメート全員が紅蓮にいるみたいで…』 颯の言葉に朔が驚いた。 『は?全員?』 『あぁ。近いうちにこっちに来るらしい…』 『…わかった。話しはたまり場についてからだ。』 そう話していると綾とみぃが来て、たまり場に向かった。
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