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「意外と早かったですね…。やっぱり大河を敵に回すと厄介だな。」 『黙れ。お前は俺がやる。』 そう話していると近くのドアから何人か出てきた。 『『魁。行け!』』 『あぁ』 瑠榎達に返事をして僚我に殴りかかった。 「くっ…」 殴り飛ばされ呻く僚我。 『…立て…。お前は許さねぇ…』 「くそっ!綾は元々俺のだ!!」 そう言いながら、殴りかかってきたのを避けて僚我を殴る。 しばらくそんな状態が続き僚我は立ち上がれなくなった。 『…二度と沙綾達の前に現れるな。』 そう言い残し周りを見渡せば、宝龍達しか立っていなかった。 「うっ…くそ…」 小さな声が聞こえ振り返るとナイフを持った僚我が立ち上がっていた。 『『魁!!』』 ナイフに気づいた瑠榎達が叫んだ。 『来るな。』 低い声で瑠榎達を止める。 『…それで俺を刺すのか?朔矢達みたいに…』 「うるせぇ!お前さえ居なくなれば、綾は俺の物だ!!綾は返してもらう!!」 そう言いながら俺に突っ込んできた。 俺は避けたが、腕を切られた。 『『魁さん!?』』 大河達も気づいて叫んだ。 腕からは血が流れる。 そのまま、ナイフを叩き落とし僚我を蹴り飛ばした。 「かはっ…」 壁に当たり崩れ落ちる僚我を大河達が押さえ付けた。 『…俺を消しても沙綾は手に入らない。その前に…俺がお前を消してやる…』 そう言いながら歩き出した。 『『魁!?大丈夫か?』』 瑠榎達が近寄ってきた。 『あぁ。』 「魁さん。結構切れてますよ?止血します。」 『わりぃな。』 大河の声に言葉をかけ、止血が終わったのを見て叫ぶ。 『帰るぞ!』 「「「はい!」」」 皆の声で鬼神の拠点を後にした。
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