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沙綾Side いつの間にか眠っていた私は目を覚ますと周りを見た。 …魁がいない…。 そう思い置いて行かれた事を実感して涙を流しながら部屋を出た。 部屋を出ると唯達がいて、外が騒がしいのに気づいた。 「綾!起きたのね。」 唯に言われたけど魁がいない不安から返事をせず、ドアに向かって歩いた。 ドアの近くに来ると渚が立ちはだかる。 『渚ちゃん…どいて。魁が…いない…。探さないと…。』 私は渚に言うけど、どいてくれない。 「綾…。外はダメ。魁さんはすぐ戻って来るから…。」 『魁が…いない…。…魁…どこ…?』 渚の話しを聞かず、魁を見つけたくて、渚を振り切り外に出た。 ちょうどドアを開けた時、颯の朔を呼ぶ焦った声が聞こえた。 みぃも部屋から出てきて、唯と渚と月ちゃんの止める声を無視して二人で走って倉庫の外に出た。 「綾!みぃ!!出ちゃダメ!!!」 その声が聞こえてきた時には外に辿り着いていた。 外に魁は居なく、朔にナイフを向ける龍我がいた。 『朔矢!』 みぃは泣きながら、朔に近寄ろうとするのを颯が止めた。 『みぃ。ダメだ!』 『いや!颯、離して!!朔矢が…』 暴れるみぃを隼人と颯で抑える。 視界の隅に妃那ねぇ達も見えた。 颯がみぃを抑えつける間に妃那ねぇ達の方に行く。 『『綾!?』』 驚いている妃那ねぇと紅葉ねぇ。 「きゃははは♪姫自ら出てくるなんて馬鹿ねぇ」 馬鹿にしたような麗奈の声が聞こえた。 『…うるさいですよ?黙って頂けませんか?』 「なぁに?私達に敵うと思ってるのぉ?」 『雑魚は黙りなさい。貴方に用はないのですよ。妃那姉様、紅葉姉様、大丈夫ですか?魁はどこにいます?』 麗奈の不快な声を遮り妃那ねぇ達に話しかけた。
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