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『妃那姉様…紅葉姉様…ごめんなさい…。』 『綾。謝らないくていいのよ。』 泣きながら謝れば、妃那ねぇに言われた。 『でも…兄様達の大切な方に傷を…』 『綾。私達は瑠依達の彼女の前に白虎なの。宝龍の姫を守るのは当然よ。』 今度は紅葉ねぇに言われた。 『…けど…』 私が言おうとしたら妃那ねぇの声が重なった。 『綾。宝龍の姫も守るけど…かわいい妹の貴方達を守るわ。』 妃那ねぇの言葉でさらに泣いた。 …その時… 『朔矢!』 みぃの叫び声が聞こえて、朔矢達の方に走った。 朔矢は龍我に少し腕を切られたのか血が出ていた。 私が走って来てるのに気づいた朔が叫んだ。 『綾!来るな!!』 『朔矢!?けど…』 「あはは♪綾。僚我の物になるか?」 龍我が楽しそうに言った。 『龍我…いい加減にして下さい。私も魅弥も心に決めた方といます。貴方達の思い通りにはなりません。』 私が言えばまた可笑しそうに笑う龍我。 「あはは♪相当キレてんな。まぁ…無理にでも連れていく。」 『させるかよ。』 朔はそう言いながら、龍我に向かって行った。 『朔矢!』 いつの間にか私の前には凪くん達がいて声をかけられた。 「綾。朔矢は大丈夫だ。」 『凪さん…陽さん…。』 ナイフを持つ龍我に素手で向かって行く朔矢。 少しすると、龍我は倒れたまま起き上がらなかった。 『龍我…二度と魅弥達に近寄るな!』 朔はそう言いながら、龍我から離れてみぃの所に行こうとしていた。 凪くん達も朔矢の行動を見ていたけど、私は龍我を見ていた。 朔が歩いて行く中…龍我がまたナイフを持って立ち上がった。
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