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みぃはスタート位置につき、パンって音と共に走り出した。 カードを引き何も言わずに朔矢の所に走る。 他の人達は見事に叫んでた。 「青龍の初代総長さんって誰~?」 「きゃ~!青龍の総長さんって瑠依さんだよね~?一緒に走れる~!」 そう言い女の子達が走る中、みぃは朔を連れてゴールに行っていた。 「おっ!やっぱり、みぃ早かったな。つまんねぇから、キスでもしてろ。」 …諒くん…また無茶苦茶言ってる…。 そんな事を思いながら眺めていると、みぃが叫んだ。 『諒くん!?冗談でしょ?』 「冗談言うかよ。おい。朔矢、皆に見せ付けてやれ!」 諒くんの言葉に朔はニヤッと笑い言った。 『…言われなくてもするよ。』 『朔矢!?』 みぃは驚いて朔を見上げた。 『魅弥。俺にキスされたくない?』 『えっ!ちが…でも…』 『首…カットバン貼ったからお仕置き…もう黙れ。』 そう言いながら、朔はみぃの唇を塞いだ。 周りからは“キャ~”とか“いやぁ~”って声の中に、お父さん達の“もっとヤレ~”って声が聞こえた。 しばらくすると、朔は真っ赤になった、みぃを連れてグランドを歩いて出て行った…。 月ちゃんと呆然と見ていたら、月ちゃんが呟いた。 『綾ちゃん…私達もさせられるかも…。』 『…あっ…。でも…他の人と一緒に走って欲しくないよね…。』 『…うん…。』 『…そうならない事を祈ろう…』 『…だね…』 二人で祈りながら自分達の番まで待った。
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