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入場門にはすでに皆集まっていた。
なぜか諒くんもいて青組に集合をかけた。
「いいかお前ら!絶対に勝て!!負けたら先代達からキツーイお仕置きだからな!!本気で走れよー」
皆は“はい”って返事をしていたけど、私は呆れていた。
『諒くん…勝ったらボーナスだもんね…』
ボソッと呟くと由季には聞こえたみたいで、
「諒さん!?ボーナスの為に俺達走らされるんですか?」
由季が叫んだ。
「あったり前だ。先代命令だ!優勝以外認めないぞ!!」
諒くんの言葉に皆がうなだれた。
「魁!こいつらに本気で走るように言え!もちろんお前も本気で走れよ!?」
『じゃあ…今日の打ち上げ代…半分出してくれます?』
「おぅ。半分なら出してやるよ。」
魁は諒くんと話しながらニヤッと笑った。
『わかりました。こいつらにも本気で走らせますよ。』
「ああ。任せた。俺は職員テントに行く。頼んだぞ!魁!!」
そう言いながら走り去った。
諒くんが行ってしまった後、蓮が魁に聞いていた。
「魁…クラスの打ち上げ代なんてたいしたことないだろ?それで皆が本気で走るか?」
『誰がクラスの打ち上げって言った?クラスなんて一言も言ってないだろ?』
「…まさか…。」
『あぁ。そのまさかだ。お前ら聞け!今日の飲み会だが優勝したら費用は半分諒さんが出してくれる。飲み会を豪華にしたかったら、本気で走れ!』
そう魁が叫ぶと皆やる気が出たみたいだ。
『魁?終わったら倉庫行くの?』
私は聞いてなかった飲み会の話しに魁に聞いた。
『ああ。倉庫が広いし騒げるからな。』
『諒くん…チームのなんて出してくれるかな?』
『クスクス。沙綾。そん時はお前が頼んでみな。大丈夫だ。諒さんは出してくれるさ。』
そう言われ頷いてから魁に言ってみた。
『ね?諒くんが出してくれるなら…ケーキとかも食べたいな?』
『ああ。それぐらい俺が買ってやる。』
魁は頭を撫でながら、言ってくれて嬉しくなって微笑んだ。
そんな話しをしながらグランドに入って行った。
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