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ガチャ
いきなり車のドアが開き蓮が出てきた。
『ちょっとゴメンね?早く乗って!』
女の子の間に道を作り、魁が先に車に乗り込んだ。
私が乗ろうとしたら女の子に押され、階段で打ち付けた左手をつねられた。
『っ~~!!』
痛みで顔を歪ませながら、車に乗り込んだら車は出発した。
…いったぁ…。
『沙綾?どうした?』
あまりの痛みに顔を歪ませていたから、魁が心配そうに聞いてきた。
『っ!何でもないよ?』
心配させないように、ヘラっと笑って言った。
『…どうした?』
『…何が?』
『…腕』
…腕?まさか…気づかれた?
『痛めたのか?』
…ヤバい!ばれる?
『えっ!何でもないよ?』
必死にごまかしてたら、たまり場に着いた。
ガチャ
ドアが開く音がして、右手を魁に引っ張られながら歩いた。
『か…魁?本当大丈夫だよ?』
話し掛けても振り向いてくれない。
いつもの部屋に入ってすぐ奥の部屋に向かった。
『あれ?魁に綾?どうしたんだ?』
瑠榎にぃ!助けて!!
『すぐ戻る。』
私の思いは届かず、そのまま引っ張られ奥の部屋に入った。
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