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「失礼します。」
とちょっと緊張気味の声を出し中に入った。
「あぁ、海都くんね。七海さんから話しは聞いているわ。」
七海というのは、おれの母さんである。でも、なんかこの人見たことあるな。
「すいません。急に転校なんて。」
「いいわよ。なんせ七海さんが頼んだんだから、断る理由がないわよ。」
「ありがとうございます。あの?もしかしてですけど、何回か家に来たことありますか?」
「何回か行ったことあるわね。ていうか、忘れちゃた?菜月だよ。」
「えっ、菜月さんですか?」
「そうよ。でも、忘れるのもおかしくないわね。引っ越す前までだったから。」
この人は、西城菜月さん(さいじょう なつき)。おれが引っ越す前まで何度か家で母さんとお茶をしていたと思う。でも、菜月さんだったなんて。
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