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第二話:詐欺師
翌日、4人で一斉に学校を休んだ。なんでかって?めんどくさいからだよぉ。
「いいね、たまに学校休むのも」
「まあな」
そう言ってラッキーストライクを吸う。俺らは私服なら高校生に見えないから吸ってても誰も怪しまない。
はぁ、やっぱりラッキーストライクはうまい。
「おっ、ラッキーストライクだ」
ふと、どこからともなく声がする。俺らは辺りを見回すと、トランクを開けたワゴン車の横に折り畳み椅子を広げ座っている人がいた。
「ラッキーストライクうまいよなぁ。一本頂戴」
「は、はい」
山田が一本そいつに渡し、火をつける。そいつの顔がものすごく幸せそうでまあこっちも幸せになった。
「てか、君たち高校生だろぉ?」
なぬ!?バレたのか!?でもあえてそうじゃない振りを…。
「い、いえ」
「駄目だょぉ、高校生が吸っちゃぁ、はい、ボッシュ」
ニコニコ笑顔で手を広げる。ただタバコが欲しいだけだろう。
やべー。こいつうぜー。
そんな思いが俺らの頭の中で駆ける。
「……。空はすごいよなぁ」
「えっ?」
「今お前らが見ている空はどこまでも続いていて、平等に俺らを見ている。差別や偏見とかないからよ。俺は空みたいな人間になりたい」
「はぁ…」
「そんなメッセージを歌に出来るこのギターを五万円で」
なぬ!?
こいつ、詐欺師だ!ペテン師だ!何故かって?
うん。
だってこのギター弦無いもん。
「いや、いいです」
「じゃあじゃあめん(笑)三万円とこの子ウサギの死体を…」
にぃげろぉぉおおおぉお!!!!!!!!!
とっても怖い思いをしました。
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