道頓堀ネオン下に

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「あんた、ここで働いて何年になんの?」姐さんはいきなり私にそう聞いてきた。「もう四年半になります」私はそう応えて姐さんの次の質問にそなえて待った。どんなアルバイトの面接よりも緊張した。いや、面接というよりも医者に病名を勧告されるような恐怖にも近い心境だった。「そうか~もうそんなに経つんやなぁ」姐さんはため息をつきながら外に一度を目をやった。きっと数秒だろうが私には長くて重い感じがした。「かおりちゃん、同じ働くんなら自分の為に働いてみたらどやろか?」そういうと私をぐっとにらんだ。見ただけかもしれないが睨まれたくらいの迫力があった。
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