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「だーれだ!?」
書類と闘っている私の背中に、体重が掛かった。
声でわかる。
このふざけた声は、
『……ヒュウガ』
「あったりー♪」
『耳元で叫ばないで、五月蝿い』
「もう、冷たいなぁ♪エルは…でもそんなところも俺は好きだよ♪」
よくまぁそんな恥ずかしいことを普通に言えるなぁ
言われる方も結構恥ずかしい……
『……ありがた迷惑だよそれ』
嘘。
本当は、
「そんなこと言ってるけど、嬉しいんでしょ」
凄く凄く嬉しい。
だけど、私は素直になれないでいる……昔からそうだ。
本当は凄く嬉しいのに、中々口に出せない。
私は、そんな自分が大嫌いだ。
『……別に、嬉しくないもん……』
「ねぇ、遊びに行こうよー♪」
『話、聞いてる?』
「あ、お腹空いたかも…エル、何か作って☆」
『聞けぇぇぇええ!!』
「え、何?」
『……もういい』
疲れる、コイツ。
人の話しは聞かないし…
すぐに飛び付いてくるし…
「俺の事、嫌い?」
う゛……
それ、普通直で聞く?
言えないよ、そんな恥ずかしいことっ……
『……』
「嫌い?」
『……嫌い。
…………だけど好きじゃない
……嘘。
…………好き』
「そっかぁ…俺も好きだよ♪」
『……』
「彼氏くらいには素直になろうよ」
『ムリ』
「…;;」
『……だけど、頑張る』
「本当!?」
『……うん』
だって、ヒュウガばっかり伝えたいこと言ってるの…ズルいもん。
私だって伝えたいこといっぱいあるの。
『……ヒュウガ』
「なに?」
頑張れ、私っ
素直になるの
私は目を瞑った。
『だ……大好きっ////』
返事がないので、そっと目を開いた。
ヒュウガを見ると、
その言葉に驚いたのか、目を見開いていた。
は、恥ずかしい//
「あ……え!?まぢ!?もう一回言って!!ヤバいっ可愛い!!」
『ム、ムリ!!』
素直に……
なりたいけど、やっぱりムリだぁぁぁぁあああ!!!!
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