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「はぁはぁはぁ…」
「なんで今日に限って目覚まし時計が壊れるんだよ!」
そんな文句は誰にも聞こえない
俺の名前は日下部龍斗。
自慢じゃないが中学までは普通の生徒だった。
しかしいざ高校の入学2日前に突如としてその普通は崩れ去ってしまった。
2日前、龍斗は夜の散歩に出掛けていた。
引っ越しもやっと終わり一段落ついてどんな町なのか歩いて回ろうと思ってたのだ。
「へー意外といろいろあるんだな」
歩きながら龍斗は言う。
龍斗は少し田舎町に住んでいたのでこういうビル群が新鮮だった。
しばらく歩いたあと龍斗は小さな公園についた。
「はぁ~だいぶ歩いたな。でもこれと言って凄すぎるものは無かったな。学園都市だからもっと面白いものがあると思ったのにな。」
龍斗はベンチに腰を下ろしさっき買ってきた缶コーヒーをのんだ。
なにげなく空を見ていたら突然違和感に襲われた。
ヴゥン…とごく少し聞こえる重低音が響いていた。
「なんだこれ?なんかへんな感じがする…」
龍斗がとりあえずこの場から離れようとしたその刹那、横から轟音が響いた。
そして見たら地面がへこんでいた。
「うわっ、なんなんだよ!?」
とりあえずその場から離れた。
しばらくの間は煙でなにも見えなかったが徐々に見えてきた。
…影がふたつ見える。
ひとつは人間くらいの高さ。もうひとつは…え、デカくないか?
ゆうに3メートルはある。しかしその3メートルの巨体は倒れてしまった。
ここでやっとこの3メートルの生物がなんだかわかった。
…クマだ。しかも目が真っ赤。明らかに自然なものじゃない。
よく見たらそいつはそこら中斬られた跡があり、血まみれだった。
「あっちゃ~、領域内に一般人がいたよ。」
その声の主のほうを見た。少し高い声だったのでもしやとおもったがやはり女の子だった。
手には身の丈ほどある剣が握られていてそれには血がたくさんついていた。
「ちょっ、これなんなんだよ!」
「ん~?魔物かな。」
さらりと言われた。
「え、魔物ってあの魔物?」
「それ以外どの魔物がいるのよ?」
「でもそれって学園都市内ではでないんじゃないのか?」
そう、この学園都市内は巨大な断絶領域という結界のようなもので守られているハズだ。
「一般には知らされていないけど学園都市内でも魔物はでるのよ。」
彼女は驚くべきことを口にした。
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