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目が覚めると
いつも
真っ暗闇だった。
誰もいない、静寂に支配された世界。
そんななかに一人、ぽつんと立っている自分。
こうして目覚めるのは、いったい何度目?
一度目は、スタンたちを裏切り死んだ直後。
ミクトランに傀儡にされる前だった。
目覚めるといっても、自分の体は以前と比べはるかに重く、そして言うことをきかなかった。
そんな姿でスタンたちの前に出たときは、
耐え難い苦痛に襲われた。
スタンは呆然と僕を見つめ、ルーティは泣いていた。
フィリアとウッドロウは……ただ驚いていたように見えた。
二度目は、ミクトランに傀儡にされた自分が、スタンに殺されたあとだった。
エルレインによって蘇らされたのだった。
自分には、永眠など許されないのかもしれないと思った瞬間だった。
確かに自分は、それに値する罪を犯してきたのだ。
当たり前と言えばそうなのかもしれない。
それでもその先で、カイルやロニ、リアラにナナリー、ハロルドに出会って、幸せを感じることができた。
結局、全てはもとに戻り、記憶は消え、旅もなかったことになったが、それでもいいと思った。
そして……今が三度目だ。
これで本当に終わりだと思っていたのに、そうでもないらしい。
また、戦い続けなければならないのだろうか。
それが、僕の運命だとでもいうのだろうか。
………
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