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―慎―
泣きながら月妃が
リビングを出ていった
陽「言葉も出ない」
雅「娘が失礼しました」
こいつら何もわかってない?
月妃の言いたい事は
俺らみたいな家庭には
痛いほどよくわかる
企業を継ぐには
金の動かし方 人との接し方
頭脳明晰...
俺らは所詮親が敷いた
レールを走らされてる
慎「俺には月妃の考えが
よくわかります。
嫌ってほど
少し考え直してください」
ご両親の返事を待たずに
月妃が飛び出していった
扉へと足早に進んだ
―公園 月妃―
思わず飛び出して来ちゃった
でも道具なんて絶対に嫌なの
「ねー」
月「...?」
「お姉ちゃん一人?」
月「そうよ♪」
「泣いてるの?」
月「そうね。とても悲しい」
「僕たちと遊ぼう!」
月「うん!」
小学生ぐらいの子供達と
一時間ぐらい遊んだ頃に
「お兄ちゃんもいーれて」
振り向くと
月「片瀬く...ん」
「「「いいよー」」」
慎「置いてくなよ」
月「...ごめんね取り乱して」
また涙が滲んできた
そう思ったら
甘い優しい匂いに包まれた...
暖かい トクントクン...
心地いいリズムが聞こえる
慎「俺の前意外で泣くな」
片瀬君に抱き締められてるんだ
月「ふぇ...っ...くっ」
声を押し殺していると
片瀬君に手を引かれ
子供達から離れた人気の
ない場所に連れていかれた
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